2010-09-11

伊根 蒲入沖 イカ釣り 「青い影」


 古い歌で恐縮だが、「青い影(プロコルハルム)」。
 原題が「A Whiter Shade of Pale」で、船酔いの歌。

 酔った。イカ釣り船で酔った。

  釣れたばかりのイカの透明感をぜひともこのブログにと思っていた。
 しかし、船上、写し方に凝ろうとしたら吐き気に負ける始末だった。イカが釣れましたよりほかに付加価値のない写真になってしまった。
 漁場に到着したばかりの意欲的な作風に比して、肝心なイカのなんと貧相なことか。
 釣れたばかりのシャッターチャンスを逃して沖漬けになってから撮影したイカもいる。

 それではあまりにもなんなので、以前に撮ったウマヅラハギの写真。釣れたばかりの魚はこんなに美しいと言いたくて。
 
 船酔いは3Kだ。苦しい、臭い、帰れない。
 【苦しい】 船酔いが続く限り吐き気も続く。胃の中が空でも容赦なし。どうせ酔うのなら吐きやすいように何か食べておけというのがベテランからのアドバイス。
 【臭い】 餌のオキアミのにおい、エンジンの機会油が焦げるにおい、潮をかぶった船の塗装のにおい。どれもこれも吐き気につながる。男のつわりだ。
 【帰れない】誰か酔ったみたいだから早く帰りましょうかなんてこと、まったくもってない。船で出たら酔うほうがわるい。帰れないという絶望感はなかなかのものだ。


 それでも4ハイはなんとかGetした。会社の同僚に新鮮なイカを約束していた。
 帰り道、深夜、そいつの家に立ち寄って玄関先に氷詰めのイカを置いてきた。
 お昼頃起きたら、携帯にお礼のメールが来ていた。
 「ありがとうございました。死んでいましたがイキがいい」。
 死んでてよかった。不死身のイカならおそろしい。

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