2010-10-01

久美浜 ~ 網野 京丹後市 「夕日と競争」


 日下部農園の直売所で二十世紀ナシと新高ナシを買った。
 この直売所は京丹後市久美浜町鹿野、SANKAI館から道を挟んで向かい側にある。
 久美浜から夕日が浦温泉までの国道178号線沿いには果樹農園の直売所がいくつもある。日下部農園は信用できる直売所のひとつだ。


 今日も、新高ナシのことで、正直な話を聞かせてもらった。
 今年の新高ナシは柔らかくないと思うが試食してみてどうでしたか?と奥さんが私に尋ねてきた。
 今年は新高ナシの収穫時期がとても難しいのだという。新高らしい柔らかさと香りを重視して収穫を遅らせると過熟気味になるし、さらにわるいケースではナシの尻にひび割れが入る(尻がハジるというそうだ)。それをおそれて早めに収穫すると、試食してもらったナシのようにまだ固くて新高らしくない。糖度はそこそこあるのに全体としてのバランスがいまひとつということだった。原因は夏の猛暑と雨不足ではないかと奥さんは考えている。


 と、ここまで教えてもらって買うのだから、あとで「しまった」ということがない。正直な話を客に伝える奥さんの姿を、店の奥の選別台のあたりにいるご主人がニコニコしつつ眺めている。会社のみんなに食べてもらうつもりで、新高2個、二十世紀2個を買った。1000円。


 さあ、どうするか。久しぶりに、夕日が浦から海沿いを網野まで、仕事にはまったく役に立たない道を走ることにした。午後4時30分か。どのあたりで夕焼けを見ることになるのだろう。陽はすでに傾きかけている。海はすでに逆光で眩しい。夕日と競争。




 網野の浅茂川漁港へ着いた。初秋の漁港の夕暮れ時は、いずこも釣り人が多い。
 親子連れがサビキで小魚を釣っていた。竿を持つ子供のそばからノラネコが離れない。釣れた魚をもらいたいからだ。


 魚をおいしそうに食べるネコを動画に記録した。 


  親子連れの釣りを眺めネコを観察しているうちに、夕焼けのことをすっかり忘れていた。
 夕焼けそのものはまた見ればいい。港の空が細かな夕焼け雲に囲まれていた。





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