2011-12-11

ビオラビット 丹後の地酒・対馬流献立・人の交流



 12月2日、宮津市日置のビオラビットで、ちょっと風変わりなパーティーが開かれました。


 食べる・飲むについていえば、丹後の地酒を対馬シェフの料理で楽しむ。参加者についていえば、とにかくバラバラ。32人が集まりました。地元からの出席もありましたし、大阪・神戸・京都から来た人もいました。


 人と人との交流が少しでも丹後のためになればといった趣旨ですが、ここから何が生まれるかはなりゆきまかせです。まあ、とにかく、やってみなければわからないといったところ。



 対馬シェフがこのパーティーのために用意した献立です。この夜は丹後を意識して、魚介を前面に押し出した献立となりました。丹後ファンの対馬流ですから、野菜、海草、味噌などにも地産食材を用いたアラカルトです。対馬さんがフレンチ出身であることを踏まえて、対馬流フレンチ・タンゴとでも呼んでおきましょうか。


 仕込がたいへんだったそうです。会費3500円でしたので、店のもうけはあまりありません。対馬シェフは、店の存在を広く知ってもらいながら丹後の役にも立てるのだからここはひとつ頑張ろうといった気持ちです。


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 丹後の地酒は、宮津市須津の「酒源」さんが受け持ちました。酒について説明するのは、社長の濱野威さんです。


 この夜の地酒は4銘柄。竹野酒造の弥栄鶴から「しぼりたて生酒」、白嶺酒造酒呑童子から「しぼったそのまま蔵出原酒」、木下酒造玉川から「しぼりたて生原酒」と「にごり酒」でした。


 木下酒造で玉川を仕込んでいるのは、イギリス人杜氏のフィリップ・ハーバーさんです。ハーバーさんにモチーフを得たのが尾瀬あきらさん作の「蔵人クロード(ビッグコミック2006年~2009年)」だそうです。尾瀬あきらさんといいますと、「夏子の酒」でよく知られた漫画家です。


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 こちらが、このイベントを企画した蒲田充弘さんです。



 みなさんにどう紹介していいかわからない方でして、実は困っています。こんな写真しか撮れませんでしたし、背広の袖丈はちょっと長すぎるし。めちゃいいお人柄なんですよ。人脈も広い。


 まず、「NPO法人丹後の自然を守る会」の理事を務めておられます。そのNPO法人の現在の主要事業は廃食用油回収(バイオディーゼル燃料の原料になる)です。
 かと思えば、リフレッシュ施設である「リフレかやの里」のプロデューサーもなさっているとか。
 そして、ボランティア活動の一環として今回のようなイベントも企画実行する。


 丹後のような田舎に来ますと、NPO法人、青年会議所、商工会、ライオンズクラブ、ボランティア団体、第3セクター、福祉法人、自治体、このあたりのくっきりとした区分けがあるのか、ないのか。それぞれの機能よりも人間関係や力関係でものごとが動く面も多分にあって、よそ者にはミステリーゾーンでもあります。


 私から見た蒲田充弘さんは、丹後のそんなわかりにくさを全身にまとって現れた方なのです。




 こちらは、橋本水産の橋本弘さんです。伊根で鰤の養殖を営んでおられます。このパーティーのために、8kg~9kg級の寒鰤2本を安く提供していただいたそうです。


 伊根は水温が低くて養殖魚の成長がきわめて遅いそうです。暖かい海に比べて2~3倍の時間を要するといいます。しかも、冬場の水温10度以下の時期には餌を食べなくなるそうでして、8~9kg(いわゆるブリサイズ)に育つまでに3年間かかるそうです。
 餌に魚油を用いれば成長スピードが上がるそうですが、それではおいしい魚に育たないため、冷凍サバ主体だそうです。生産効率を捨ててでも天然物に近い魚にしたいとの思いが強い方です。



 その鰤つながりでいきますと、宮津市の土産品候補である伊根産寒鰤の燻製、「おいし伊~根!寒鰤燻(おいしいね!かんぶりくん)」が登場していました。


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 燻製の試作は対馬シェフが引き受けています。対馬さんは燻製を得意技にしています。奥さんを煙に巻くのは苦手なんですけどね。
 「おいし伊~根!寒鰤燻」はまだ改善段階です。対馬シェフが作りなれた本鰆スモークやスモークチャーシューも横に並んでいましたが、それに比べると寒鰤燻が明らかに負けていました。しょっぱすぎるという声もありました。






 こちらはカラーセラピーの石井満弓さん。すでに記事にしましたので読んでいただいた方もおられるかと思います。
 このご夫妻は、ご自分たち二人に加えて息子さん、娘さんの誕生日カラーについても耳を傾けておられました。





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 いったいどうまとめればいいのか、本当に迷ってしまいます。どういうパーティーだったんでしょうねえ。


 ただまあ、そうした輪郭のあいまいさが参加者間の交流をかえって促しているのだと、私はそのように解釈しました。とりあえず好きにやってくれ、なんの制約もないからというのが、蒲田充弘さんの流儀です。そうなりますと、参加者は自主的に動かざるをえませんからね。


 このイベントにやってきた人たちは、ジャンルを飛び越えた交流に手馴れているのか、あちこちで名刺交換がさかんに繰り返されていました。いただいた名刺を一枚ずつ眺めていきますと、みなさんそれぞれに自営の道で成功されている方ばかりです。みなさんがものおじしないのはその成功が背景にあるから。私がものおじしないのは性格だけ。


 私なんて、もう来年は退職する会社の名刺をみなさんに差し出しながら、「対馬さんのただの友達ですわ」と自己紹介するばかり。福知山雅治の名刺を持っていくべきだったですねえ。

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