2012-04-07

ばらずし月間(丹後一帯) ビオラビットは鹿肉のそぼろ

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 丹後といえばおいしいものを食べに行くところ。
 このイメージを定着させるために、「春の丹後ばらずし月間」が開催されています。
 原発ネタばっかりやってましたらアクセスが減ってきた。やっぱ食ネタがいちばんですねえ。(原発ネタもまだやりますよ~)

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 このイベントに参加しているのは25店。飲食店だけではなくて、旅館、民宿も含まれています。
 参加店情報が掲載された地図パンフを、丹後広域振興局のサイトからダウンロードできます。Click to イベント情報

キャプチャ
 


 ばらずしは、大きく分ければちらし寿司の一種。よくあるちらし寿司と違うのは、鯖のそぼろが全面に敷き詰められているところ。敷き詰めた鯖のそぼろを、錦糸玉子、かまぼこ、紅しょうが、しいたけなどで派手に飾ります。食べたらお祭りですね。
 下の写真は、網野町「とり松」のばらずしです。

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 「うちのおばあちゃんが作るのは」といったように、ばらずしには家庭ごとの味があります。
 鯖のそぼろの甘辛具合、酢飯の甘酸っぱさ加減、トッピングの密度など、これらの組み合わせで好き嫌いもかわってきます。
 上の写真の「とり松」の場合ですと、鯖のそぼろが甘いほうです。全国的にも人気の高いとり松ですが、「そぼろが甘すぎる」という声が地元にはあったりします。
 それくらいに好みが分かれるばらすしです。したがいまして、丹後のあちこち25店が「うちのばらずし」を掲げてお客さんを待っておりますと、こういうわけです。

 ビオラビットへ行ったら、対馬シェフもこのイベントに顔を連ねていました。
 対馬さんは鯖のそぼろを使っていません。鹿肉のそぼろにしてあります。この点で、決して丹後のばらずしではありません。

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横長の食器に入ってきます。桑の葉茶つきで700円。

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ひとくち食べて驚きました。鯖のそぼろと同じ味です。
 「鹿だ」と聞いてなければ、おそらくほとんどの人が鯖だと思ってしまうでしょう。鹿で鯖の味。パロディーみたいなおもしろさ。
 「和風ダシをなんかやってましたよ」と奥さんが言います。

 対馬さん、実は生まれも育ちも北海道。ドラマ「北の国から」の富良野です。自然に恵まれた土地ですから、子供の頃は、ウサギとか、野生動物をよく食べたそうです。
 丹後の人たちには、鯖のそぼろが郷愁の味。郷愁のふた文字が、富良野育ちの場合は鹿になる。でも、丹後のばらずしから大きく逸脱するのではイベントの趣旨にそぐわない。
 対馬さんから話を聞き出したわけではありませんが、たぶんそういうコンセプトに沿ったレシピじゃないのでしょうか。
丹後のばらずしは、押し寿司気味のちらし寿司です。酢飯を浅い木箱にギュッギュッと詰め込んでいきます。
 逆に対馬さんのは、ごはんがフワフワ、パラパラ。箸を使うのが下手な私は、スプーンをもらって食べました。
 
 対馬さんのばらずしは、紅しょうがと海苔にも凝ってありました。おいしいとはっきりわかる紅しょうがと海苔です。そこまで凝らないのがむしろばらずしなのかもしれませんが、対馬さんのを食べてみて、やっぱり凝ってあるほうがいいなと思いました。

 桑の葉茶は店からの感謝だと思います。でも、それだけにとどまらず、ベタッとしがちなばらずしの後味を桑の香りが消し去ってくれました。ばらずしの後味をケンカ気味に消し去る緑茶とは違って、内助の功といった印象でした。


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