2012-06-26

伏見稲荷大社 朱色の異次元空間

 伏見稲荷大社はご利益あります。

 初詣で、うちの両親の介護問題をなんとかしてくださいとお願いしました。なんと、半年のうちになんとかしてもらえました。これにはビックリ。

 野田総理も、「心から、心から、心から」なんて小沢派に頭下げてるより、伏見のお稲荷さんにお願いしたほうが早そうです。

いざ、お山めぐりだ!

 どこにも朱色のない写真を撮るのが難しい。
 それが伏見稲荷大社です。

 運動不足解消も兼ねて、伏見稲荷大社のお山めぐりに出かけました。
 伏見稲荷のご神体である稲荷山の頂上まで、鳥居の立ち並ぶ参道を登り、そしてまた下りてくるという一周コースです。

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 大きな鳥居と大きな門をくぐって

 JR稲荷駅前の正面玄関です。
 正面玄関から行かずとも、別の参道もあります。

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千本鳥居を抜けておもかる石の奥社へ

千本鳥居のトンネルを歩いておもかる石へと向かいます。
一本、一本の鳥居は、個人や企業が寄進したものです。なかには元近鉄バッファローズの梨田昌崇さんが寄進した鳥居もありました。
千本鳥居の参道は、途中でふた手に分かれます。左が往路専用、右が復路専用です。

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お龍、軽々と石を持ち上げる

千本鳥居を抜けてきたところが、奥社参拝所。
奉納されているのは、絵馬ならぬ絵狐かな?
有名な「おもかる石」は、この奥社にあります。
石を持ち上げてみて、重ければあなたの願いは叶わない。軽ければ叶う。
私の妻お龍は余裕で石を持ち上げました。

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風景一変のお山めぐり

さて、ここからが、お山めぐりのスタートです。
どこまでも続く鳥居は1万本以上だと聞きました。
若いカップルのデートにもよく利用されています。

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お山めぐりに入りますと、伏見稲荷の雰囲気は一変します。
下の本社で見たようなギンギラギンの派手さは消え失せて、地味で小規模なお塚が並び始めます。
お塚はお稲荷さんを信仰する個人や企業が建てたものです。



歴史は上から下へと流れた

参道を掃除していたパート女性によりますと、1300年の歴史をもつ伏見稲荷は山の頂上から歴史が始まったといいます。
時代も頂上から下へと流れたということで、お山めぐりで目にする風景こそが古来の姿だそうです。

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熊鷹社の不気味な空気

誰もが歩を休める熊鷹社には新池という名前の池があります。
その水面に姿を映す熊鷹社は、小さくてもインパクトのある存在です。
逆光をうまく使って、昼間だというのに暗闇のような社殿を演出しています。
蝋燭の炎が不気味に揺れて、シルエットと化した狐をほのかに照らします。
まるで舞台照明のような心理効果。
信じる者しか寄せ付けないような威厳、お賽銭なしで手を合わせたらばちが当たるみたいな押し出しの強さを感じました。

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四ツ辻からがサークルコース

新池からさらに10分だったか15分だったか登りますと、四ツ辻に至ります。
四ツ辻は、登りと下りのルートが交わる地点ですし、京都市街地を見下ろせる場所でもありますので、多くの参拝客が休憩しています。
四ツ辻から奥のお山めぐりは、頂上に向かっての周回コースとなっています。ぐるっと回って、また四ツ辻に下りてきます。

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杉は神聖なる木

伏見稲荷のご神木は杉だそうです。
神社を代表するような大きな杉はありませんが、山の杉はいずれも神聖なものとして扱われるそうです。
寄進される鳥居も、すべて杉材が用いられています。
杉は耐久性のない木材ですので、土台だけを残して根元から折れてしまった鳥居が何本もあります。

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鳥居にも種類がある

お塚をよく見ますと、お塚によって使われている鳥居の形が異なります。
神明鳥居(写真上)と明神鳥居(写真下)です。
御膳塚で出会った清掃パートの女性によりますと、シンプルな神明鳥居は伊勢神宮の鳥居と同じ形だそうです。その分、格式が高いそうです。
いっぽう稲荷神社では明神鳥居のほうが正式な形だそうです。

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お休み処の誘惑

お山めぐりの途中、少し平らな場所があると、必ずといっていいほどお休み処が参拝客を待っています。

お休み処のほとんどは、参拝客相手の宿として始まったものだそうです。宿を必要とするほど深い山ではないことを考えますと、宿を必要とするほどに人々の信仰心が強かったということなんでしょうねえ。
どのお休み処も風情のあるたたずまいが魅力ですし、ひやしあめだとかぜんざいの文字に私は弱い。

「休んでいく?」ともちかけるお龍に私は言いました。

ここで休んだらあかん。山寺も、金比羅さんも、えらいしんどかったやろ。そのしんどさを神さんやら仏さんに捧げるのやで。そのためのしんどさやと思わなあかん。

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母は強し

頂点にある一の峯に向かう階段が、これまでにもまして長く、運動不足の身体にはこたえました。

「最後の階段に来たら上を見たらあかん。上を見たらいやになるで。階段だけ見て登らなあかん」と、さっき誰かが誰かにアドバイスしていた意味がわかりました。

おとうさん、先に行くよ。

その長い階段を、お龍は一気に登りきりました。ここで根性を見せなければ心願成就も成り立たずと思ったそうです。

お龍をそこまで本気にさせる理由があります。
今回のお願いは、孫の聖太郎家庭に起きたトラブル解消だからです。
母は娘の幸せを祈る。孫の将来を憂う。
母は強い。
いざとなれば理屈抜きにがんばります。

それに反して、休み休みの私。
階段を登りきったときには、お龍が一の峯社に向かって真剣に手を合わせていました。

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やっとひやしあめ

一の峯にお願いも済ませたことですし、もうゆっくり休んでもいいでしょう。
四ツ辻まで下りてきて、閉店寸前の茶店でひやしあめを飲みました。
一年でいちばん日の長い6月、参拝客はまだだ登ってきますが、茶店は4時で店を閉めます。
驚いたことに、コース沿いの公衆トイレも、4時になったら鍵がかかります。

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日本経済は伏見のお稲荷さん次第

帰路は、本社に向かって下るだけの道です。石段一段に一本ずつの鳥居が立っています。
しんどさのない下りですから、鳥居に彫られた寄進者の名前を読んでいく余裕ができました。
全国各地からの寄進で、そのほとんどが見たこともない中小企業の会社名です。
鳥居の数だけの中小企業が経営発展を祈願しています。
中小企業が日本の経済を支えるとよくいわれます。
だとしましたら、日本経済は伏見稲荷大社のご利益次第ということになりますね。

お稲荷様、日本をよろしくお願いします。
心から、心から、心から。


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