2012-06-20

GUMBO AND OYSTER BAR(金沢市) 一人ではもったいない

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 牡蠣にはシャブリ。いや、ほんまですねえ。

 金沢駅前FORUS6階の「GUMBO AND OYSTER BAR」で生牡蠣を食べてきました。
 オイスターバーは初めてでした。さすがですね。日本全国いろいろな産地の牡蠣を食べることができます。


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【生牡蠣のリスクとオイスターバー】


 以前、このブログで、世界的に見れば牡蠣の食べ方は生が主流だという話を紹介したことがあります。

 ただし、牡蠣には食中毒のリスクが常につきまとうだけに、生産・流通・販売の各段階を通じて一貫した衛生管理が必須です。平たく言えば、食中毒を出した牡蠣については、生産業者にまで遡って衛生管理のあり方を逆探知できるシステムが欠かせないということです。

 ところが、日本の牡蠣市場には、そのような安全確保規制システムができあがっていません。食品衛生法による安全基準だけです。

 食中毒が発生したときには、その牡蠣を客に出した飲食店がひとえに責任を負わされ、保健所から営業停止のペナルティーを食らいます。営業停止を食らってはたまりません。飲食店は、牡蠣を生で出すことに二の足を踏みがちです。

 牡蠣を生で食べる食習慣が日本に根付かない背景には、このような事情もあるといわれています。

 その不備を補うひとつの解決策が、近年になって増えてきたオイスターバーだと、私は理解しています。
 ひとことで言えば、生牡蠣を安全に出せるだけの管理体制を整えた牡蠣専門飲食店がオイスターバーだと解釈しています。

 GUMBO AND OYSTER BARの食中毒対策については、こちらをごらんください。Click to 安全対策

 と、まあ、堅い話はそろそろやめにします。



【能登半島の勝ち】

 注文を聞きに来てくれた店の女性が、今日は6か所の産地の生牡蠣を用意していると言いました。

 どこどこの牡蠣がイチバンなんてこだわりもない私は、本日の生牡蠣3種類セットを注文しました。産地は店任せです。

 食べログの口コミを見ますと、牡蠣の種類が東京やニューヨークに比べて少ないからガッカリしたという意見もありました。
 牡蠣の種類が少ないことよりも客が少ないことに私はびっくりしました。あの客の数で牡蠣をたくさん用意していたら、古くなったやつを捨てるいっぽうです。

 私が不満だったのは、段どりのわるさです。グラスワインが来てから生牡蠣までに10分ほどの間が空きました。なんで一緒に持ってこないのか?
 福知山のソレイユの手際良い配膳を思い出しながら、心遣いの大切さをあらためて感じました。
 金沢だって、心遣いがものをいう土地です。東京資本だからといって東京流そのままでは流行りません。

 さて、出てきましたのが、この3種類。右から順に、石川県能登半島輪島の岩牡蠣、愛媛県御荘湾の牡蠣、長崎県九十九湾の牡蠣。ワインは、店のオススメのままに、ルネ・マニュエル・シャブリ(グラスで950円)です。

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 どれがいちばんおいしかったか?
 迷うことなく能登半島の岩牡蠣でした。味が深い。
 店長に尋ねましたら、たいていの客が能登半島の岩牡蠣を気に入るのだそうです。
 「みなさん、能登半島をおかわりされますねえ」と店長。そんなこと言うても俺はせえへんぞ。定年退職や。節約、節約。

 愛媛県御荘湾産や長崎県九十九湾産はミルキーな味がウリだそうです。能登半島輪島産は、単にミルキーにとどまらず磯や潮の味も混じります。そのバランスのよさがみなさんにウケますと店長。

 けれども、食べ方によっては、御荘湾や九十九湾もおいしいことに気づきました。とくにワサビとのコンビネーション。
 「お好みの味つけをどうぞ」と出てきたなかの「牡蠣ソース(牡蠣のエキスを用いたドレッシング)」とワサビの組み合わせですと、マッチングにおいて輪島産を上回った気がします。

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【なんとマリアージュもきめ細かいぞ】

 牡蠣にシャブリがようわかったわ。ほんまおいしかった。
 店長にそう伝えますと、「通の方は日本酒でも召し上がりますよ」とのこと。「能登半島の牡蠣によく合う日本酒があります。石川県の酒蔵、福光屋さんから仕入れています」と店長が言います。
 そんなこと言うても俺は飲まへんぞ。定年退職や、節約、節約。

 さすがオイスターバーだなと感心しましたのが、この図です。牡蠣の産地と酒にも細かな相性があるらしい。
 こういうのを見ますと、うそかほんまかも試してみたくなります。 となりますと、牡蠣料理をあれこれ注文できたほうが楽しそう。一人でオイスターバーに来るのはもったいない。


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【ガンボの不思議なおいしさ】

 生牡蠣がいくらおいしくても、それだけではおなかがいっぱいになりません。店の名前にもなっているGUMBO(ガンボ)を注文しました。

 ガンボはニューオリンズの郷土食だそうです。魚介類スープと香味野菜、そしてオクラが必ず入るのだそうです。
 オクラの香りと粘りがきいている点や、野菜が細かく刻んである点では、山形県の銀山温泉で食べた「だし」を思い出しました。

 不思議な味でした。どんな味か言えと迫られてもうまく言えません。大味ながらも後を引きます。
 難をいえば、具になっているエビやイカやムール貝。さほどおいしくなかったし、ガンボのおいしさでご飯を食べるのに具だくさんの必然性を感じませんでした。
 具を抜きにしてあっても十分においしいから、その分1580円の値段を下げてほしいな。

 ガンボ自体ピリ辛料理ですが、辛さが足りなければこれで調整してくださいと、なにかグリーン色の香辛料ソースがついてきました。


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【お会計6200円】

 デザートには、能登の塩アイスクリームとコーヒーを注文しました。塩アイスは、ミルクやバニラの風味と甘すぎない甘さ。生牡蠣にしてもガンボにしても、何がどうおいしいのか自分に対しても説明しにくいおいしさだけに、アイスクリームのわかりやすいおいしさに出会ってほっとしました。

 お会計は6200円。定年退職の途端にB級グルメばかりのレポートになるようではブログの価値が下がる。そんなアホな見栄を張って頑張りすぎました。定年退職の身に浪費は禁物です。


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