2012-09-23

麺屋しらかわ(金沢市大手町) おいしいのに客がいない

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 金沢に泊まるたびに、まだつぶれてないやろなと確かめに行くラーメン屋さんです。客が来なくてこの麺屋しらかわが店を閉めざるをえないようなことになったら、えらくもったいない話です。

 私はKKRホテル金沢に宿泊しますが、その玄関を出たら30秒もかからない場所にこの麺屋しらかわがあります。

 ラーメン通の人なら「あれ、麺屋しらかわって、高山にもなかった?」と思われるかもしれません。

 実はその通りでして、麺屋しらかわが高山に開業するとき、ここの大将が起ち上げ期の手伝い役を務めました。大将にとってはラーメンの修業も兼ねての行動でした。

 高山の麺屋しらかわが意欲的な若いラーメン職人と評価されていることからも分かるように、金沢の大将もまだまだ若手です。ついでに男前です。愛想もよくて、好青年です。

 その大将から、うちは飛騨スタイルだと聞きました。
 特徴的だなと私が思うのは、鰹の利いたスープと黒胡椒の香ばしさです。
 スープの色合いはけっこう黒い。「○○ブラック」と銘打ったラーメンを見かけますが、そういうのより少しは黒くないかなあといった印象です。

 もうひとつ特徴的だと思うのが、チャーシューをわざわざガスバーナーで炙ってからラーメンにのせることです。炙った表面に脂が回ってただの味わいではなくなるのと同時に、焦げた香りととスープがよくマッチします。

 人手がないからまだラーメンは一種類ですと大将が申し訳なさそうに言いますが、私にはいまの一種類で充分です。

 大手町は金沢城公園、兼六園の近くでもあり、場所柄このラーメンの味はふさわしいと思います。

 それに、上品なラーメン屋です。
 店員がおそろいで黒Tシャツを着て、頭にタオルを巻いて、店長はどうみても根性タイプでスタッフはヤンキーっぽい。
 店のモットーがやたら貼り紙してあって、くどいくらいに顧客第一主義を訴えてくる。
 そういったスタイルのラーメン店ではありません。

 しかし、惜しむかな、ラーメンはそこまで形而上的な食べ物ではなくて、もっと形而下的な要素が集客にものを言います。

 これが蕎麦屋なら、わざわざ不便なところまで食べに出かける客もいますし、その不便が逆に魅力になります。客に自己犠牲の機会を与える商売が可能です。蕎麦には変に究道的な一面があります。

 大手町は、夜になれば人通りが途絶える地区です。
 歩く人も少ない場所にどうしたいきさつでラーメン屋を開くに至ったのか、次に行ったときに尋ねてみたいくらいです。
 おいしさの噂を聞きつけて車で来る客がいたとしても、店に接した駐車場がありません。
 そこがこの店の弱点だと思います。

 酒の後に食べてもおいしいですよと大将が言います。わかる気がします。けれども、片町・香林坊の帰り客がここを通ってくれないことには価値があってなきがごとしです。

 それだけに、月に一度の金沢泊まりのたびに、店の繁盛が気にかかって、気にかかって。
 開店してまだ2ヶ月か3ヶ月目だけに、知られていないのはしかたのないことです。

 おいしいのに客がいない。惜しい話です。

金沢市麺屋しらかわ
麺屋しらかわは青い風船の場所にあります。夜は「もうお客さんが来てくれないな」とあきらめるまでやっているそうです。

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