2013-01-10

大阪桜宮高校バスケットボール部 体罰顧問は小村基教諭

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 滋賀県野洲町の小川珈琲で京都新聞と読売新聞を読んでいました。
 
ここまで男性教諭(47)としか報道されていないバスケットボール部顧問ですが、2紙の記事が正体を知るヒントをくれました。
 この顧問が、2006年発行のバスケットボール雑誌で、強いチーム作りの極意について語っていたというのです。

 正体を知りたかった私は、早速インターネット検索してみました。


 検索でヒットしたのは、バスケットボールマガジン2006年12月号(2006年10月25日発売)でした。



 この号の特集が、「私の"即効"チーム強化術」となっています。
 特集の中味は以下のようなものです。そのPart3に注目して下さい。
 京都新聞は「高校生指導の現場から」に登場するのがこの顧問だと言っています。それにしたがって雑誌の目次を見ますと、名前は小村基。肩書きは桜宮高監督。これが、あの男性教諭(47)教諭です。


[特集]
私の“即効”チーム強化術
Part1 総論&図解 ◎川島淳一[日本大監督]
Part2 学生指導の現場から&実技指導 ◎柴田雅貴[日本女子体育大監督]
Part3 高校生指導の現場から ◎小村 基[桜宮高監督]
Part4 中学生指導の現場から ◎鈴木信行[春日部東中女子部監督]
Part5 ワンポイント・トレーニング ◎土黒秀則[ストレングス&コンディショニングコーチ]


 小村教諭はバスケットボールマガジンでチーム強化術を語るほどの指導者です。信念をもって方針を貫いてきたことでしょう。体罰にしても、やるべきことだと確信してきたに相違ありません。

 1988年日体大体育学部卒業。全日本のユースチームのアシスタントコーチを務めた経歴もあり、大阪高体連バスケットボール専門部の技術委員長です。バスケットボール界では名を知られた指導者です。

 その小村教諭の体罰が自殺に結び着いたかもしれないからといって、実名を出さずに報道するのは気の遣いすぎというものです。小村教諭にとっては体罰も指導の一環でしょうし、世間に恥じるところはないでしょう。
 バスケットボール指導者として公人的な立場にも達している小村基教諭なのですから、賞賛を受けるときは実名、非難を受けそうなときは匿名なんて、そう都合よくはいきません。

 顔も見たいと思われた方は、画像検索してみてください。顔写真を掲載している個人のブログサイトがあります。そのいっぽう、Yahoo主催のサイトや桜宮高校運営のサイトは、小村基というだけでいち早く閉じられてアクセスできません。




 「このときの調査が十分だったのかは、今となっては疑いが大きい」

 「特段こういう調査方法をしなさい、ということはないが、実態を明らかにするという意味で顧問だけでよかったのかという問題はある」

 大阪市教育委員会が記者会見で述べた言葉です。

 2011年9月、小村教諭の体罰が常套化しているという匿名の通報が大阪市に寄せられました。それを受けて、市教委や校長が調査を実施したところ体罰の事実は出てきませんでした。

 市教委が記者会見で歯切れのわるい言い方をしているのは、このときの調査への反省の弁です。

 2011年9月の匿名通報に対応した調査は、運動部顧問など教師13人への聞き取りにすぎませんでした。部外者が見ても、かばい合いの力学がはたらくことくらい想定できるじゃないですか。

 桜宮高校ではバレーボール部顧問の体罰問題が過去に顕在化していました。運動部顧問のなかにはそれでも体罰を続けていた教師だっているでしょう。自分をかばうためにも本当のことを言うとは思えません。こうした学校内部調査の不正確さは幾多の事例が語っています。それだからこそ不正確な手法をわざわざ選んだのでしょう。

 今回だって、バスケットボール部の副顧問2人は、自殺前日の体罰光景を目の当たりにしていました。けれども、「恩師の指導に口出しすることじゃない」と事実上黙認していたというのです。これひとつとっても、運動部顧問主体の聞き取りの信頼性は知れたものです。

 市教委は調査不十分がいまになって初めて分かったような言い方をしてはなりません。ウソをついてはなりません。
 どうみても形だけの調査、いや、むしろ隠蔽のための調査でした。市教委だって加担したみたいなもので、体罰なしという調査結果でなければ自分たちにも不都合が降りかかったのでしょう。

 そもそも、調査を必要としたということ自体がウソくさい。小村教諭は1994年に桜宮高校に就任しています。調査は2011年です。これだけ長い勤務歴をもつ教師の指導方法を学校が知らないはずがありません。調査しなくても分かっていたはずです。

 佐藤芳弘校長はもっと潔くしなくてはだめです。生徒達が見ています。
 小村教諭の体罰指導は充分に知っていた。けれども、強いバスケ部に育て上げてくれたのはたしかに小村教諭だから見て見ぬふりをしていた。それが本当のところじゃないのでしょうか。
 ブイブイいわせてる教師に校長が迎合していたのだと思います。

 そして、その佐藤芳弘校長は、いまだに小村教諭の体罰を「指導」と表現したがっています。
 大阪府警が暴行容疑で捜査に入ろうかというのに、「指導」なんて甘い正当化を誰が支持してくれるでしょう。生徒を指導して逮捕されるのなら、日本全国の高校教師はみな犯罪者です。正しい指導方法の教師を逮捕する警察なんて、北朝鮮か中国だけでしょう。

 9日夜、父兄対象に説明会が開催されましたが、小村教諭は出席しませんでした。「指導」だと言いたいのなら、校長権限で堂々と出席させたらよかったのではないか。なににつけ潔くありません。



 体罰を単純に悪いと決め付けることはできないと、私は思っています。
 生徒の能力を伸ばそう、引き出そうとするとき、人と人のぶつかり合いが生じます。指導すると心に決めた者、指導されると心に決めた者。その両者間で是認される罵倒や体罰があります。

 けれども、忘れてならないのは、指導される者は受け身でいるしかないことです。やり返せない。やっぱり悔しい。でも、敢えてバカになって体罰を受けます。自分はバカになっても先生までバカにはならないと信じて体罰を受けます。

 小村教諭の体罰は、この一線をはるかに越えていたと思われます。だから大阪府警が犯罪性ありと判断したのでしょう。

 自殺した主将の顔は腫れ上がり、口を切った跡も残っていたといいます。こうなると暴行です。拷問です。生徒が敢えてバカになっているのをいいことにやりたい放題です。小村教諭は「発奮させるためだ」と理由を説明しているそうですが、きれいな理由なんて後付けでいくらでもこしらえられます。

 こういう暴行が、小村教諭の地位や収入を脅かすような形で問題視されたことはなかったのでしょう。人事権をもつ校長が小村教諭に甘いのだから、そこからして間違っています。

 そして、生徒も父兄も教員も、目先の理由を優先させて小村教諭にたてつくことがなかったのでしょう。今回だって、自殺事件もなくインターハイで好成績でも収めていたなら、自殺した生徒の両親ですら立派なご指導ありがとうございましたと頭を下げまくったことでしょう。お仕立券つきワイシャツ生地くらい渡したかもしれません。

 そんな環境にあって、小村教諭は、自制の念も自省の念も必要とせず、好き勝手に生徒を殴る・蹴るで教師生活を送ってきたのだと思います。
 自殺した生徒は周囲の大人たちがご都合主義で立ち回ることを知りすぎるほど知っていた。主将自らがヤケになるわけにもいかず、行き詰まり、悩み、精一杯の訴求策として自殺を選んだのではないでしょうか。

 思い上がった指導者として、暴力団以下の教師として、体罰をいちばん受けるべきは小村基その人です。

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