2014-05-27

神戸 三宮 北野異人館街 元町 中華街(南京町)

20140525-IMG_5647異人館が集まる神戸市北野 北野町広場に建つ萌黄の館

 日本整形外科学会見学も会期最終日となり、午前中で勉強を終えた後は北野の異人館街見物に出かけました。
 なにせ登り坂の連続できついコースでしたが、坂を登るのはなにも自分だけではありません。海から吹いてくる風も、やはり坂を登っていきます。ああ、爽快。
 京都にも大阪にも見当たらない神戸の風情を満喫しました。

 

お龍、神戸の履きだおれにハマりそう

 今日は妻お龍も連れてきました。おっさん一人で歩き回っていても、神戸という街になにか似つかわしくない気がします。

 三宮駅から異人館通りへと向かう北野坂。お龍がいつのまにか消えたと思っていたら、「UNO & UNA」という衣料雑貨店へ入っていました。たった3000円でちょうどいい靴が買えたと喜んでいます。
 
 歩きにくい靴を履いてきてしまった。こんなに坂がきついとは思ってもいなかった。
 そのことを悔やみ始めていたら、ちょうどそのとき店先に安くてステキな靴。色もデザインも一発で気に入ってしまったといいます。

 「UNO & UNA」の、めっちゃ美人の店員さんによると、異人館めぐりに来て坂を登り始めてから靴が痛くなるという女性が常にいるそうです。それを知った店の社長が、即座に買いたくなる価格帯でカジュアルな靴を置こうと思いついたそうで、このアイデアがけっこう当たったそうです。

 まあ、ほんまにきれいな店員さんでした。宝塚に在籍してたのではないかというくらい。その店員さんが韓国製の金粉練りこみ歯ブラシをオマケしてくれました。
 男の方にたいへん人気の歯ブラシ、金のもつ抗菌作用で睡眠中も口内の細菌繁殖を抑制、朝起きたときのネバツキが解消、とのことでした。
 ひょっとして、私は、あの美女店員さんから、口が粘つく男だと思われたのでしょうか。いまハッと気づいて、受け取るときに嬉しそうにしていなかったか心配です。ネバツキ解消が嬉しいみたいやないですか。

 神戸は靴が安い。お龍はそう言います。これから靴を買いたくなったら神戸に来るわとも言ってます。京都の着だおれ、大阪の食いだおれ、神戸の履きだおれと言われるように、靴生産の街として神戸の歴史は古く、神戸シューズというブランドにすらなっています。

 ここ北野にかぎらず、サンチカで、元町で、「あ、いま1000円の靴があった」など、歩きながらもお龍の靴屋さんチェックは止みませんでした。女というのは、必要かどうかにかかわらず、靴とバッグには目がいってしまうようですね。


20140525-IMG_5612お龍が坂道用に靴を買ったUNO & UNA。花壇の傾きを見て、あらためて坂道の斜度を思い返しています。

20140527-IMG_5720美人店員さんがオマケしてくれた韓国製の金粉練りこみ歯ブラシ。毛に金粉が練りこんであるそうです。

20140525-IMG_5664こんな靴屋もありました。生産地に近いアドバンテージを生かして、サンプル品など一点モノを安く売る店。女性客でいっぱい。「また来たらええやんか」。そうでも言わなければ、お龍はこの店に居座ってしまいそうでした。


にしむら珈琲店のアイスコーヒーに驚嘆


20140525-IMG_5586北野坂にしむら珈琲店。1974年創立以来、阪神大震災までは会員制の喫茶店だったそうです。

20140525-IMG_5600アイスコーヒー800円。観光地価格かと思ったら、なんと値段以上のおいしさ。こんなスッキリしたアイスコーヒーをいままで飲んだ覚えがありません。

20140525-IMG_5599こちらはホットコーヒー。これも800円。砂糖とミルクを入れた途端においしさが変わったとお龍。ミルクがおいしいと思ったそうです。ミルク入れがたっぷりの容量で、いくらでも好きなだけ入れてくださいと言いたげでした。


 北野坂、先述の「UNO & UNA」から道路を挟んで、にしむら珈琲店がありました。これは行っとかなあかんやろという気持ちにさせる風格が漂う喫茶店、煉瓦の壁に蔦をからませた古い喫茶店でした。店に入ってから、阪神大震災以前は会員制喫茶店だったと知り、外観、内装から伝わるただものではない空気にナットクしました。

 店でもらったパンフレットを見ていますと、中山手本店というのが1948年開業のもっとも古い店だそうです。こんな風に書いてあります。

神戸北野のハンター坂の南角。テーブルがたった3つのちいさな珈琲店がすべての物語の始まり。1948年は戦争が終わって3年後の日本では、珈琲豆のかわりに大豆の”代用コーヒー”にしかお目にかかれなかった時代に、”誇り高き極上の一杯のコーヒー”を呈してくれるたった一人の女主人の店。
その名は「にしむら珈琲店」。


 私はミーハーなのか、こういう話に本当に弱いのです。
 いつぞや行った大垣市の喫茶店はるにれ。あそこのママが神戸でコーヒーの修業をしてきたと言ってました。それがにしむら珈琲店だったのではないかという気がしました。

 来てみるもんやなあ。
 同じ言い方で、さっきから何度お龍に話しかけたことでしょう。「まさに」という言い方を安倍晋三がやたら好むのであまり使いたくないのですが、まさに、来てみるもんやなあとしか言い様のない喫茶店でした。神戸まで来たからこういう喫茶店に出会えたのだという意味です。

 「おとうさん、ミルクがなんだかおいしいよ。入れたら急においしくなった」とお龍が言います。お龍はホットコーヒーを飲んでいます。
 お龍に促されて、自分のアイスコーヒーにいつもより多めに加えました。すぐにかき回さないで、徐々に徐々に底へと
広がってゆくミルクを見ているのが好きです。広口のグラスに氷が少なめ。なんかきれいやなあと思って写真を撮りました。


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 ストローを袋から出して、ちゅちゅっとひと口。
 語彙不足。このときの驚嘆を言い表せません。

 まさか水で薄めてないよねと問いたくなるくらいのクリアーな味。アイスコーヒーにつきもののえぐみがまったくありません。
 「うわ、なんや、これ。めちゃおいしい」
 昨日、UCCコーヒー博物館の「Cofee Road」で飲んだハワイ・コナも、今日のこのアイスコーヒーも、焙煎がきわめて浅いように感じます。

 コーヒーのいちばんおいしい要素だけを、キュッと冷やしたような味でした。なんというのか、とにかくありがたい味でした。
 たしかにお龍の言うとおり、このおいしさはコーヒーだけではなさそうです。ミルクとの相乗効果が大きいと思いました。
 近頃はおいしいことを「ヤバい」などと言いますが、たいていのケースにおいて真の感動を伴わない言い換えです。けれども、このおいしさならば「ヤバい」という表現に対してなんら遜色ありません。

 いやあ、来てみるもんやなあ。同じ言葉をまた口にしました。

 お龍は、ブラックで飲んだときの味では小川コーヒー本店のほうが少しばかりおいしいと言います。ミルクと砂糖を入れたらステキな味に変わっておいしくなったけれど、と。

 それでええねん。私は言いました。
 砂糖とミルクが前提や。それでもスッキリ味。これ、関西文化。

 そう言っておきながら、ほんまかうそか自分でも分かりません。でも、そんな気がします。


20140525-IMG_5609にしむら珈琲店、窓際の席。調度品なども格調高い。



南京町中華街 久しぶりに雅苑酒家 心まで満腹

 

神戸南京町南京町。夕方5時くらいはまだ立ち食いが主流の時間帯。各店の前で売っている豚マンなどで小腹を膨らせる若者が多かった。


 24日の「チューボーですよ」で五目あんかけ焼きそばを見て、中華を食べたい欲求がいつになく高まっていました。おりしも神戸にきています。選択肢はただひとつ。南京町です。

 うーんと、どこやったかなあ。3年前、行ったけどなあ。おいしかったんやけどなあ。店の名前、何やったかなあ・・・

 思い出せません。このブログに自分で書いたはずなんですが、検索しても出てきません。あのときは、韓国の大スターチェ・ジウが撮影に使ったという円卓で食べました。しかし店の名前が・・・
 まだ5時過ぎの南京町。「いまなら空いてますよ」の客引きの声を何度も何度もかわしながら、あちこちの路地を探して回りました。

 あ、これや!ここや!雅苑酒家。間違いない。店の向かいに雑貨屋があって、チャイナドレスの豚。ここや!

 西宮に住むヨウちゃんという友達から教わった店です。店の前の小さな立て看板を見たら、いつの間にかグルナビ兵庫エリア中華部門で1位の店になっていました。
 この時間帯、店はまだがら空きでした。それぞれの円卓には予約席の札が立ててありますから、6時から7時にはほぼ満席になりそうでした。


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20140525-IMG_5704写真上:雅苑酒家入り口。階段で2階へ。
写真中:グルナビで1位になったことを知らせる立て看板。
写真下:まだ空席だらけの店内。ついたて向こう側の円卓がチェ・ジウの撮影に用いられた。


 食い気が立っているのはむしろお龍のほうでした。
 けれども、「これどうかしら?」とお龍が指差すメニューの値段はいずれも千円台でして、どうも1品で2千円を超えるのを頼んではいけない様相でした。
 おいしいところに連れてきたぞという誇らしさと、お龍の顔色をうかがう卑しさが、胸のうちを行ったり来たり。

 で、海鮮三品の焼きそば、肉団子のあんかけ、海老とカシューナッツ炒めの3品に決まりました。
店のスタッフから、その3品にしておいたほうがいい、うちは量が多いから食べ切れないというアドバイスがありました。いまお龍に尋ねたら、支払いは2人で4070円だったそうです。すごく安いよねえと言ってます。

 そして、安い上に、やっぱりおいしかった。
 いま写真を見るだけでもう一度食べたいくらいです。どこか他店で妥協せず、かすかな記憶を頼りに探し回った甲斐がありました。この味をしっかり覚えておこうとお龍。肉団子の皿に残った甘酸っぱい餡をスプーンで口に運んでいました。

 私たちの他には、阪神タイガースの応援グループだけ。オリックスに5-2で負けた日でしたから、「もう、ほんまにい」とか、「あかんなあ、ヤケ酒や」といった声が聞こえました。そのうちに、「な、結局はこういうことやねん。負けても飲む、勝っても飲む。それがファンというもんや。阪神ファンや」というセンに落ち着いた様子でした。

 胃も心も満腹になりました。北野の坂道を歩き回った疲れのせいか、だんだん眠くなってきました。予定していたハーバーランド散策は切り上げて、もう家に帰ろうということになりました。


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海老とカシューナッツの炒めもの。海老はプリプリ。セロリも美味。

20140525-IMG_5703肉団子の甘酢あんかけ。肉団子の外側に焦げが入って香ばしい。

20140525-IMG_5700海鮮3品のあんかけ焼きそば。「チューボーですよ」で見た巨匠たちのレシピもおいしそうでしたが、おそらくあれに負けていません。

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