2014-12-16

サンタ・アンジェロ(大阪市 なんばシティー) 職人感あふれ、美味いのひとこと

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 いやあ、こんなにおいしいピッツア。めちゃうま。
 関西でいちばん古い石窯ピッツア店だというではありませんか。
 入ってみてよかった。大正解でした。



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 なんばシティーの1階はレストラン街になっています。
 今日はひどい雨降りでした。昼飯のために濡れたくない。
 ということで、なんばシティーにしました。

 店の表にディスプレイされたプロシュートの雄姿に圧倒されまして、居並ぶ他の店はもう視野の外。

ーーーいらっしゃいませ。本日は全席禁煙ですが、よろしございますか?

 イタリアンの店に来てまでタバコを吸おうとは思いませんから、無論OKです。あとで聞いたら、タバコを嫌う客が多い日は禁煙にして、嫌う客が少ない日は分煙にしているそうです。

 自分がタバコを吸うから言うわけじゃありませんが、こういう理にかなった寛容性が、タバコ以外の面でも、世の中から姿を消しつつあります。とくに、東京でその傾向が顕著です。もし、それが、タバコを嫌わなければ自分が社会から嫌われるという発想なのであれば、少し行き過ぎた強迫観念かもしれません。

 店のいちばん奥に薪窯を見つけました。女性がピッツアを焼いています。やった!の気分でしたねえ。

 初めての店で食べるピッツアですから、ランチ用をやめました。
 単品でマルゲリータ・スペシャリティー。何がスペシャルかといえば、水牛モッツアレラを使うところ。水牛モッツアレラがマルゲリータのもっとも正統なレシピです。
 iphoneで撮ってもこれだけ美味しそうに見えるのですから、食べたらどれだけ美味いことか。


20141216-IMG_2037左側のボトルは、自家製タカノツメ入りオリーブオイル。これをたらしたら、マルゲリータがまた別の顔を見せました。


 「これはすごい。技アリ!」とまず思ったのは、全体の薄さでした。ひときれ持ち上げたら、あら、軽い。
 軽いけれど、トッピングの重さでテレーンと垂れ下がるなんて弱さがありません。そしてトッピング自身も、二つ折りにした折り目からズルリと落下することがない。実にいいバランスです。

 こういう生地を作るのも、こういう風に焼き上げるのも、本当に難しいことでしょう。職人感あふれるという言い方があるのかどうか知りませんが、自分のなかではこれがいちばん適切な表現です。

 周囲の額縁(コルニチョーレ)が、これまたなんともいえない繊細さで、これ以上太くても細くても駄目、これ以上盛り上がっても盛り上がらなくても駄目という微妙なバランスです。
 歯ごたえが、痩身アスリートの切れ味というのか、サクサク、パリパリの心地よさ。熟練の職人技だなあと感服しました。

 そして、ソース。きちんと酸っぱくて、きちんと塩ょっぱくて、きちんと甘くて。トマトソースですから酸味が大切。ドライトマトも混ざってます。考えてありますねえ。
 そこにモッツアレラがトロ~ン。口の中でグチュグチュ。
 もう1枚!と言いたいくらいでした。次は必ず2枚食べるぞと思ってます。

 トマトソースの上には黄色いミニトマトと赤いミニトマト。オレガノかと思ったら緑の葉はバジリコ。
 この3種類のトッピングはほぼ生です。
 でも、バジリコの葉の一部が焦げてますから、ピッツアを窯から取り出した後に載せたのではありません。はじめから載せておいて、葉脈がまだハッキリと残るくらいの短時間でピッツア全体を焼き上げた理屈になります。
 自分で言っておきながら、ほんまにそんなことできるのかと疑っています。

 いま店のホームページを見ましたら、こんな風に書いてありました。


サンタ・アンジェロは西日本でいち早く、本格的なピッツァ用の石窯を取り入れたピッツェリアです。
古い石窯はお店の自慢。今まで焼いたピッツァや食材の香りがほんの少しずつ残り、窯内を巡り、次に焼くピッツァに宿ります。
積み重なっていく深い旨味は新しい窯には決して出せない、サンタ・アンジェロだけのおいしさです。


 これ、本当のことだと思います。こんなおいしいのをよそで食べたことありませんから、古い窯でしか生み出せないものがあるのだと思います。

 店内の雰囲気は写真でご覧いただく通りで、めちゃ気分が盛り上がるように、そしておいしくなるように、仕組まれています。スタッフも、みなさんフレンドリーでかつ礼儀正しくて、オッサン一人で食べる肩身の狭さはどこにもありません。
 一発でこの店のファンになりました。


20141216-IMG_2050ドルチェはズコット。トスカーナ地方のデザートです。ズコットとは半円球形をした聖職者の帽子で、それと似た形に焼きあげることからズコットと命名されたそうです。カット後の形状からは連想できませんが、ショーケースのなかには半円球形のまま飾ってありました。

20141216-IMG_2040この紙製テーブルクロスの模様が気に入りました。お客さんが帰った後はクシャクシャクシャと捨ててしまいます。俺にくれ。

20141216-IMG_2044オールドファッションを演出した店内。めちゃおいしいピッツアだとフロアースタッフに伝えたら、すぐに窯の前のスタッフに伝言してくれました。

20141216-IMG_2052製打ち出しの調理器具が天井から吊り下げられています。カンパリの赤い色が背後の照明に透けてええ感じでした。

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